ボブ・ディラン--神が味方
僕の名前なんかどうでもいい
僕の年齢なんかもっと無意味
僕の出身地は
中西部と呼ばれてる
僕はそこで教育を受けて育った
従うべき法があり
僕が住んでる国は
神が味方してくれてる
歴史の書物に書いてある
丁寧に記述されている
騎兵隊が突撃し
インディアンが滅んだ
騎兵隊が突撃し
インディアンが死んだ
国はまだ未熟で
神が味方してくれた
米西戦争に勝利し
南北戦争も鎮圧
僕は暗記させられた
英雄達の名前を
銃を把持し
神を味方につけて
第一次世界大戦が終息
戦いの理由を
全く理解できぬまま
だけど受け入れることを覚えた
誇りをもって受け入れることを
死者の数は数えられないから
神が味方してくれているときは
第二次世界大戦が終焉したとき
僕らはドイツ人を許した
そして朋友になった
彼等が600万人を殺戮したにもかかわらず
焼いたんだよ、オーブンで
今はドイツ人も
神を味方につけている
僕はロシア人を憎むことを覚えた
生涯ずっと
もしまた戦争が起ったら
闘うべき相手は彼等だ
彼等を憎み、恐れること
逃げて隠れること
全てを勇敢に受け入れる
神が味方だから
だけど僕らは今
化学兵器を保有してるんだ
もし発射したら
発射の連鎖を強いられる
ボタン一押しで
世界中のどこでも爆弾が落ちる
問答無用さ
神が味方についていれば
多くの暗闇の時間
僕は思慮を重ねた
イエス・キリストは接吻ひとつで裏切られた
だけど、貴方のために僕は考えてあげられない
貴方が決めなくちゃならない
イスカリオテのユダには
神が味方についていたのかどうか
僕は発とうとしているけど
疲れ果てている
僕の混乱は
誰にも形容し難いんだ
言葉が僕の頭を満たして
床に溢れるほどだ
もし神が僕らの味方なら
次の戦争を止めてくれるだろうに
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